スクリーンの空

パロディ

2020-01-01から1年間の記事一覧

消し去る者

全て共有可能な文脈を剥ぎ取られた共感不可能な他者はグロテスクに映り、嫌悪感を与えずにはおかない。であるから、他者への好意とは都合の良い思考停止が生み出す柔らかい幻想への隠遁でしかない。企てられた逃避。最も容易い幸福の方法。無償の愛であって…

通り行く群衆の一人を見定めて、彼だって本を読んだり音楽を聴いたり、自殺を思うほどの悩みを持っていたり、誰かを愛したりしている人物であるなどと考える必要性は、本当のところ見出せない。彼らが僕と似たり寄ったりの実存を持っていると、仮定する意味…

風車

雑文。 ✳︎ 他人には出来て自分には出来ない、或いは著しく困難であると僕が感じることと、少なくとも同量は、他人の馬鹿げた盲目さに僕は失望を覚えている。だからそれは資質の偏りでしかないのだろう。 才能は、もしかしたら全く有用性を持つことなく消えて…

砕け散った青色

あちらからはどんな意味の断片さえ 持ち帰ることは出来ないという 呼び声に応じることはなく そして轟音が去り、雨音が戻ってくる 言葉を使って呼吸をする それは偶然だと 分かってくれるだろう 導かれることはない たとえ見覚えがあるにしても、この景色 真…