あちらからはどんな意味の断片さえ
持ち帰ることは出来ないという
呼び声に応じることはなく
そして轟音が去り、雨音が戻ってくる
言葉を使って呼吸をする
それは偶然だと
分かってくれるだろう
導かれることはない
たとえ見覚えがあるにしても、この景色
真っ逆さまだ僕らは
大きな手のひらが底にあると
子供みたいに信じている
さらにこれからも
分かたれたまま
輝き渡る球面で
少しずつ影を薄くしていく家々の
音もなく飛び立つ鳥の
青空
どんな退嬰が許されているのか
眩いばかりだ
透き通っていけたらいい
いつも地に撒かれたガラス片だった
彼らは反映となって