2017-04-04から1日間の記事一覧

詩の発生

嘆きを嘆きとして表現するだけでは優れた詩にはならないと僕は思う。矛盾を抱え込みながら対立を乗り越えるか、対立そのものを肯定的に提示しなければならない、という気持ちがある。嘆き悲しむ者は、許しや報いを欲する事なく、美によって現実を受容し、美…

雨の日の天啓

プロローグ その日、僕は雨の降る中、誰もいない海岸で膨れ上がった溺死体が引き揚げられるのを一人眺めていた。性別不明の水人間の口、かつて口であったと思われるボソボソとした穴の中から鮮やかなオレンジ色の魚、カクレクマノミが一匹這い出てきた。きっ…