未詳まで

同じ人

思う事

収束

これまでと違う言葉を使おうと思う。いや、そんな心構えは無意味で、だって同じ言葉を使おうとしたことなんて一度もなかった。線引きをするのは馬鹿馬鹿しい。これまでとこれから、それがずっと続いていくだけだ。ただ、もう少しだけ普通の文章を書こうと思…

愛していた訳でもなかった

新幹線が加速して、サティのジムノペディを聴いていたから世界が遠かった。電子版を流れる文字を眺めていたら頭痛がしてきたから目を逸らした。僕には感じるべき感情や、考えなければいけない思考がある気がしていた。これではないもっと相応しい何か。音楽…

自然な自明性の喪失について

僕は映画を見ていて話の筋が分からなくなったりしない。YouTubeの下らない動画で笑ったりも出来る。音楽を聴けば、曲が自分の身体とどこかで共鳴していることが分かる。小説で作者の欺瞞や陳腐な図式性を批判することが出来る。文字の羅列を読み、それが理由…

彗星

あと一歩を踏み込めば、僕はこの世界から消えてなくなる。誰かが少し背中を押しさえすれば、それは為されるだろう。目の前を轟音が通り過ぎる。だけど僕はまだ黄色い線の手前にいる。同じ時、どこか別の場所で、彼は五十八錠もの睡眠薬を飲み干した。十五歳…

すべて一つの生き物は

誰もそれを言葉に出来ないし、言葉にした所で僅かばかりでも意味あることは伝えられないということならば、分かり切っている。僕たちはすぐ隣にいる人とさえ、感情を共有しているなどと言うことは出来ないのだ。だけど現にそれが起きているこの世界で、僕に…

夜を思い出す

かつて手を伸ばせば届く距離に、暗闇は横たわっていた。記憶はゆっくりと薄くなっていく。はっきりとよく見えず理解しがたいものならば、あっという間に。定かならぬ恐怖と混乱の生々しい記憶は、良くも悪くも想像以上の速度で消え去っていく。僕たちには何…

ことの記憶

僕は何かをしてきたし、誰かと出会ってきたけれど、経験の中で繋がりが断ち切られてしまっていて、喩えるなら何かの一貫性を保つために「何もない人生だった」と言わざるを得ないと強制されているかのようなのだ。実際に関わってきた人のことを思うと失礼だ…

青色だったと気付く

僕たちがお互いにいてもいなくてもいい存在でしかないという事実は、当然のことだって受け入れている。そんな関係は、或いは少し淡白なのかも知れない。いつだって世界は僕抜きで旋回している。そんな風に感じてしまうのは、目の前のこの人も、この人を含む…

或いは眠りながらのようにして

表象から別の表象へ。有用性なのか、それとも芸術的な、あるいは神秘的な、目的は分からない。だけど僕らは何かを望み、何かから望まれるだろう。そして裏切られるのだ。僕たち自身が表象の一部なのだという事実によって。僕たちの内で何かは存続し、何かは…

曇り空の系譜

青く透明な空に、もくもくとした遮蔽物が浮いている、というイメージが重苦しさを余計に連想させていると思う。僕は白くて清潔だから好きだけどな、曇り空。 そういえば「色彩家は曇天の下でも美しい画面を完成させなければならない」なんて事をドラクロワが…

蓋然性とか

知識の説明や概念の整理をわざわざ自分で言語化しようという気力がさっぱり湧かない。好きな本とかアニメとか音楽について熱く語るのも何だか面倒くさい。理想としては、もっとメタフォリカルなイメージで一気に全体を分かった気になりたい。きっと僕の情け…

存在しない風

春の風の柔らかい悲痛さ。別に感傷的になるつもりはないけれど、感傷の方は勿論そんな事は気にせず僕の体腔に侵入し、具体的な記憶を想起させるのではなく、匿名の記憶の反映となって嗅覚の奥で風景を広げる。 言葉の消滅。沈黙。世界との接点をどこに求めれ…

みんな夢

かなり虚しいので何も思わない。自分の単調さにうんざりしている。どうせ何も出来やしないという不安。自分が過ちを犯しているという不安。同じ不安が繰り返されるが、何も感じていない事。絶望や目的を感じない事。自分自身の言葉が誰の役にも立たず、世間…

顔を失った

再び世界がネバつき始める。その理由が僕には分からない。極度に神経質になっている。目に付くものが尖り、色彩が煩くて、直視出来ない。通り行く人々の表情がべっとりと脳裏にこべりつく。顔だけじゃない。服の質感や、辺りの物音もだ。静物は不気味な生物…