創作

ある叙情詩のための

僕たちの世界は平面的でなければならなかった。平面性、それは健全さの指標となり、コミュニケーションとなり、百万回も繰り返された言葉によって、時間を絶えず次のシーンへと送り流すためだ。テレビコマーシャルのようなBGMが脳内を騒ぎ立てるので、僕たち…

白昼

未だに電車に轢かれる夢を見る。眠っている時ではなく、ぼーっとしている時などに、ふと気が付くと自然に。僕は駅のホームの最前列に並んでいて、後ろの人間に突然、背中を押される。そして電車と衝突する瞬間、背中を押したのが自分自身である事を、僕は知…

雨の日の天啓

プロローグ その日、僕は雨の降る中、誰もいない海岸で膨れ上がった溺死体が引き揚げられるのを一人眺めていた。性別不明の水人間の口、かつて口であったと思われるボソボソとした穴の中から鮮やかなオレンジ色の魚、カクレクマノミが一匹這い出てきた。きっ…