スクリーンの空

パロディ

以前書いた物

暗がりで震えるもの

暗がり、また暗がりだ。目覚めさせてくれ。僕を目覚めさせてくれ。ここから出してくれ。僕は深く沈み込んでしまった。黒く重たい泥濘に。光は途絶えた。一筋の光も通さない深みに沈み込んでしまった。浮上することは出来ない。どちらが上なのかも分からない…

消し去る者

全て共有可能な文脈を剥ぎ取られた共感不可能な他者はグロテスクに映り、嫌悪感を与えずにはおかない。であるから、他者への好意とは都合の良い思考停止が生み出す柔らかい幻想への隠遁でしかない。企てられた逃避。最も容易い幸福の方法。無償の愛であって…

通り行く群衆の一人を見定めて、彼だって本を読んだり音楽を聴いたり、自殺を思うほどの悩みを持っていたり、誰かを愛したりしている人物であるなどと考える必要性は、本当のところ見出せない。彼らが僕と似たり寄ったりの実存を持っていると、仮定する意味…

赤と黄色

比較的古いものではないけれど、過去に書いた文章。具象的に、毒性を高めて書こうと意図していたとは思う。露悪的な直接性と、言葉を目に見えるものに向けていこうとする不慣れな試みと。 *** 色々あったけど……みたいな語り口が健康の指標なのかも知れな…

俺は自殺はしないよ

自分自身を振り返ると、漠然と高校時代が一番苛烈だったように度々思うので、謎だが供養も兼ねてその頃の文章を残しておこうと思う。全く文章を書く人間ではなかったので、さして面白みもない気紛れな断片しかないけれど。 以下抜粋。 ***** 幸福にはゴ…

顔を失った

再び世界がネバつき始める。その理由が僕には分からない。極度に神経質になっている。目に付くものが尖り、色彩が煩くて、直視出来ない。通り行く人々の表情がべっとりと脳裏にこべりつく。顔だけじゃない。服の質感や、辺りの物音もだ。静物は不気味な生物…