未詳まで

Es malt.

赤と黄色

比較的古いものではないけれど、過去に書いた文章。具象的に、毒性を高めて書こうと意図していたとは思う。露悪的な直接性と、言葉を目に見えるものに向けていこうとする不慣れな試みと。 *** 色々あったけど……みたいな語り口が健康の指標なのかも知れな…

俺は自殺はしないよ

自分自身を振り返ると、漠然と高校時代が一番苛烈だったように度々思うので、謎だが供養も兼ねてその頃の文章を残しておこうと思う。全く文章を書く人間ではなかったので、さして面白みもない気紛れな断片しかないけれど。 以下抜粋。 ***** 幸福にはゴ…

停泊地

最近書いた雑文の適当な羅列。 ● たとえば美しい景色を見る時、時々僕の魂はいなくなった友人と手をつないでいる。それは言うまでもなく本当の彼女ではないし、僕の思い出の中にある追憶の姿でさえない。生ぬるい倦怠や哀しみに僕を繋ぎとめようとするだけで…

形式と内容

「怒鳴ったり哀願したりするのはよせ、言語的コミュニケーションをしろだって?しかし僕はまさに怒鳴り声のような非言語的な表現の意味しか理解できないのだから、君のいう《言語的コミュニケーション》の定義など、僕を前にしては機能しないのだということ…

賽を振る

例えば「泣き喚けば人に気持ちが伝わる訳じゃない」という種類の戒めが、全く同様に、「今こうして書いている文章が誰かに理解されること」に対しても生じている。それくらい言葉が他者に伝達されることに飛躍を感じるときがある。 言語能力の有効性は、赤子…

捩れた方法で

僕は物事を理解できる。僕は現象を解釈できる。だけど僕の理解や解釈が他者のお眼鏡に叶うかどうかに関して、つまり僕の理解したと思っていることが、第三者の価値にとって『理解に値するかどうか』に関して、一切の自信がない。僕の不安はこの様な形で、凡…

追悼

幸運の意味を知っているから。不条理を知っているから。それが起きるということくらい分かっていた。だから君が自ら命を絶ったからといって、悲しむこともなかった。改めて驚くことはなかった。それは悲劇じゃなかった。僕は世界の残酷さを知っていたから。…

日差し

少し熱いくらいの日差し。時間がゆっくり進む気分。退屈を感じるのは良い兆しなのだと思う。(僕は生きているか死んでいるかの実感も湧かないまま消えて行くつもりだったのに。)空が綺麗だった。木々の色が深くなって、風が強くて、僕はさざめきが好きだっ…

解除

すぐダメになりそうだけど、出来るだけ毎日書く。そうすれば書かれた内容は自ずと、その日に偶然そう感じただけというニュアンスを含むようになる。これが数週間に一度となると、一回性の成長やら思想の変化やらといった趣になり、内容が煮詰まって重苦しく…

オタクと海に行くなどした

先日ツイッターで知り合ったオタクと海を見に行った。オフ会というやつ。 普通のブログっぽいこと(?)を書きます。 先週にもひょんなことから仲良くなった東大生のオタクと会ったばかりだと言うのに。注目すべきは、マジで人と遊ぶことが少ない僕に、一週…

ロートレアモン伯爵の文体で人間を殴るだけ

おや!君の剛健な身体に備わったミミズの様に太い神経にも、痛覚が備わっているとは知らなかった!しかし、自動機械の定められた文法に従って緊張した、普段なら盛りの付いた猫の尾の様によく動く表情筋や、僕の耳には優しいヒキガエルの様なうめき声で、僕…

中くらいの収束

これまでと違う言葉を使おうと思う。いや、そんな心構えは無意味で、だって同じ言葉を使おうとしたことなんて一度もなかった。線引きをするのは馬鹿馬鹿しい。これまでとこれから、それがずっと続いていくだけだ。ただ、もう少しだけ普通の文章を書こうと思…

変転

土埃が舞うように、それとも楕円形の光が溶けていくように。十五階建てのビルの、右から六番目の窓を照らす太陽。一歩ごとに眩くなって行く光線。円盤から聴こえるアリアに呼びかけられたように、力ないビニルは幽霊のように吹き上がる。二人の子供は水溜り…

愛していた訳でもなかった

新幹線が加速して、サティのジムノペディを聴いていたから世界が遠かった。電子版を流れる文字を眺めていたら頭痛がしてきたから目を逸らした。僕は自ずと心に立ち上がってくるものを、義務のように否定して生きていた。僕には感じるべき感情や、考えなけれ…

表面に踏み止まること

僕は映画を見ていて話の筋が分からなくなったりしない。YouTubeの下らない動画で笑ったりも出来る。音楽を聴けば、曲が自分の身体とどこかで共鳴していることが分かる。小説で作者の欺瞞や陳腐な図式性を批判することが出来る。文字の羅列を読み、それが理由…

野蛮なもの

人が他者に何らかの説明を求める時に多くの場合、自動的にある一つの暗黙の主題を設定してしまい、その時点で関係性は硬直に陥っている。それは時に最も下品な、しばしば権力を握る者による、意図的な弱者への圧迫であることもあるが、他方では自由なやり取…

色んな音に聞こえる長い溜息

サルトルは『存在と無』の中のもっとも見事な個所で、他人の実在という次元で、眼差しを機能させています。もし眼差しがなかったとしたら、他人というものは、サルトルの定義にしたがえば、客観的実在性という部分的にしか実現されえない条件にまさに依存す…

彗星

あと一歩を踏み込めば、僕はこの世界から消えてなくなる。誰かが少し背中を押しさえすれば、それは為されるだろう。目の前を轟音が通り過ぎる。だけど僕はまだ黄色い線の手前にいる。同じ時、どこか別の場所で、彼は五十八錠もの睡眠薬を飲み干した。十五歳…

すべて一つの生き物は

誰もそれを言葉に出来ないし、言葉にした所で僅かばかりでも意味あることは伝えられないということならば、分かり切っている。僕たちはすぐ隣にいる人とさえ、感情を共有しているなどと言うことは出来ないのだ。だけど現にそれが起きているこの世界で、僕に…

かつて手を伸ばせば届く距離に、暗闇は横たわっていた。記憶はゆっくりと薄くなっていく。はっきりとよく見えず理解しがたいものならば、あっという間に。定かならぬ恐怖と混乱の生々しい記憶は、良くも悪くも想像以上の速度で消え去っていく。僕たちには何…

ことの記憶

僕は何かをしてきたし、誰かと出会ってきたけれど、経験の中で繋がりが断ち切られてしまっていて、喩えるなら何かの一貫性を保つために「何もない人生だった」と言わざるを得ないと強制されているかのようなのだ。実際に関わってきた人のことを思うと失礼だ…

青色だったと気付く

僕たちがお互いにいてもいなくてもいい存在でしかないという事実は、当然のことだって受け入れている。そんな関係は、或いは少し酷薄なのかも知れない。いつだって世界は僕抜きで旋回している。そんな風に感じてしまうのは、目の前のこの人も、この人を含む…

或いは眠りながらのようにして

表象から別の表象へ。有用性なのか、それとも芸術的な、あるいは神秘的な、目的は分からない。だけど僕らは何かを望み、何かから望まれるだろう。そして裏切られるのだ。僕たち自身が表象の一部なのだという事実によって。僕たちの内で何かは存続し、何かは…

白昼

未だに電車に轢かれる夢を見る。眠っている時ではなく、ぼーっとしている時などに、ふと気が付くと自然に。僕は駅のホームの最前列に並んでいて、後ろの人間に突然、背中を押される。そして電車と衝突する瞬間、背中を押したのが自分自身である事を、僕は知…

蓋然性とか

知識の説明や概念の整理をわざわざ自分で言語化しようという気力がさっぱり湧かない。好きな本とかアニメとか音楽について熱く語るのも何だか面倒くさい。理想としては、もっとメタフォリカルなイメージで一気に全体を分かった気になりたい。きっと僕の情け…

存在しない風

春の風の柔らかい悲痛さ。別に感傷的になるつもりはないけれど、感傷の方は勿論そんな事は気にせず僕の体腔に侵入し、具体的な記憶を想起させるのではなく、匿名の記憶の反映となって嗅覚の奥で風景を広げる。 言葉の消滅。沈黙。世界との接点をどこに求めれ…

みんな夢

かなり虚しいので何も思わない。自分の単調さにうんざりしている。どうせ何も出来やしないという不安。自分が過ちを犯しているという不安。同じ不安が繰り返されるが、何も感じていない事。絶望や目的を感じない事。自分自身の言葉が誰の役にも立たず、世間…

死と乙女

扱っている言葉を変えたい。ここにいたくない。言葉を変えるのではなく、経験の方を変えたい。感覚そのものを。僕の本質は自己を否定し続け、停止する事だ。それ以外には特に何の要素もないので、別人になったって構わない。全ての自分の感情を冷笑する人間…

暴力表現

フィクションを仮構し、無秩序の中で、人々の意志に纏まりを持った方向付けを与える事を創造行為と呼ぶならば、現代に於いて、数え切れないほど生み出された「方向」は、もはや根拠も必然性も持たず、観念の数々は全くフラットな水平面上での、趣味や慣習か…

表象

たとえ世界がフィクションであってもフィクションの中に様々な感情の居場所を見付けられるという事自体を尊重しなければならない、と思う。というのも、それ以上のものは何処を探しても見付からないからだ。幸福や不幸のイメージによる諸々の価値観、即ち物…